お値段のこと
結論から言うと、値上げしました。定番のブレンド100g600円から100g650円になります。
わが家にとってコーヒーは毎日飲む日常の飲み物です。なくても生活はできるけれど、ないとおやつ時間や夜ののんびり時間がなんとなく寂しいと感じます。だから、ないよりはあったほうが嬉しい。
毎日飲むものなので豆の価格はとても大事です。ここ最近の色々なものの値上げは、少なくともわが家の家計にもチクリと刺さっています。
100g650円という価格をどう感じるのかは人によって違うと思います。淹れ方によって変わるとは思いますが、わが家の場合、一人分は14~15g、二人分は25gほど使いますので、100g買うとだいたい6~7杯分、値段にして一杯100円前後です。毎日飲むことを考えると、これくらいならわが家でも出せそうなお値段です。どこかにも書きましたが、良くも悪くもわが家の生活の延長線上にお店があります。要はわが家の金銭感覚が、お店のお値段に反映されています。
もちろん価格の設定はこれだけで決まる訳ではないのですが、お店をはじめた頃に比べると生豆の仕入れ価格はずいぶんと上がりました。梱包材やガスなども。だからといって、これらすべてを価格に反映させて値上げをするのは思い描いているお店から遠のいていきます。かと言って、縮こまって赤字覚悟で!という姿勢は、家族の生活を苦しめることになりこれもまた違います。
お店を長く続けていくために大切なことは、健やかでいることだと思っています。健康面はもちろんのこと、健やかな商いという意味もあります。私にとって健やかな商いというのは、小さな場所で、自分の手と、目と、心が届く範囲内でものを作ること。家族、とくにまだ小さな子どもとの時間を大切に、働く時間に余白を持たせ、手間をかけたものを背伸びをすることもなく、縮こまることもなく、適正価格で販売すること。何を持って適正価格とするのか、色々な価値が生まれ、移り変わり、情報が溢れる社会において、何が正解なのかは正直分かりません。ただひとつ言えることは、そのような大きな社会の流れを作っている最小単位は、ひとりの生活であること。自分のお店も暮らしも、届けたい仕事の宛先も、そこなのです。
値上げのお話なのにずいぶんと脱線してしまいましたが、今回の値上げは健やかな商いを続けていくために決めました。お客さんにはお金の負担を強いることになるので心苦しくなかなか決められなかったのですが、このお値段で新たにお店をはじめたいと思います。
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